叡智と探求の白メガネ

気まぐれで読んだ本・プレイしたゲーム・見たアニメなどの感想を呟いていく予定です。

「政宗くんのリベンジ 10」の感想

*この記事にはネタバレが含まれています。

 

 こんにちはこんばんは。ライバルズの方はいつの間にか1周年を迎えていました。めでたいですね!1年前に究極魔法マダメンテ(笑)とか言っていたのが懐かしい。配布もこの運営にしては大分太っ腹でしたし、これからも頑張って欲しいですね。(なお勇者杯秋で炎上した模様)それに合わせて(?)新段の情報もちょくちょく出てきました!今まで(2018/11/13現在)に発表された新カードで言えば、レオパルドに注目しています。実質9/4/4みたいなところもありますが、在りし日のテンポゼシカを知っている身としては興奮を禁じえません。他にもテンポスイングを可能とするカード(主にヒャド関連)もいくつか追加されるため、伝説の5/3/6(今は6/3/6)を復活させる時かもしれませんね…

 

 あと当ブログについてなのですが、お気づきの方もいる通り昔に比べてボリュームが増えています。具体的に、始めたばかりの頃は2000字にも満たなかったのが2500~3000、今回に至っては5500字強あります(白目)執筆期間はおおよそ1か月。マジでこんなことやってるから更新頻度が遅くなるんだよ!いやでも自分の書きたいこと書いたり、「作品から得た感情をうまく言葉にできないナリ~www」とか言ってるとこれぐらいかかるんですよ… だからということもないですが、今後もマイペースに綴っていくので趣味嗜好がピッタリ僕と合う方は夜露死苦!(たぶんというか十中八九このブログの定期購読者はいない)

 

 さて、今回は密かに買いそろえていた政宗くんのリベンジ、最終10巻です。というかもう発売から4ヶ月近く経っているのか... ちまちま買っている内に最終巻が出てしまったゆえ、なんとも言えない感もありますが。ていうか表紙よ!最終巻の表紙と言えば、メインヒロインが飾ると相場が決まっているもの…って吉乃師匠なんですが???(特装版はまた別の話)いやいやちょっと、第二部wとか言って調子にのり過ぎっしょ!その他大勢(笑)のヒロイン達をなんだと思っているのですか!...前置きもここまでにして、ちゃっちゃか内容に行きましょう。

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 まず最初に一言。スゥ-、良かったあああああああああああああああああくぁwせdrftgyふじこ(ry そう!いつかの感想で述べた通り、僕は愛姫さま派なんですよ!ところがどっこい?既刊を買いそろえている内にネットで目に入るのは師匠ばかり!そりゃ不安にもなりますよ。なんなら最終話を読む直前まで「終わった...」とか思っていましたもの。それがあれよ。結構各自に委ねられている部分もありますが、よく決断した政宗。というかあれですよね、物語も後半になってくると心情はあまり細かく説明せず、情景や場面の演出での表現が増えていった気がします。これが漫画という媒体の面白いところでもありますよね~。こういった所から、作者の真意(或いは自分にとって都合の良い解釈とも言う)を類推できるのが楽しみのひとつにもなっています。

 ストーリー的には...そうですね、雅宗の正体を看破して愛姫さまと付き合い始めた辺りから行きますか。あの頃の愛姫さまにとっては、政宗に対する好意の大部分に「昔のマサムネ」の存在があったと思うんですよ。あくまで小さくてぽっちゃりしていたマサムネの延長線上に今の政宗があり、高校で過ごした日々よりも思い出の方がウェイトを占めていたと考えます。8巻ラストで政宗の告白を受けたのも、「マサムネ」の影を認めたことが理由の一端をなしているでしょう。それが初々しい付き合いを続けるなかで、少しずつ、恐らく自分で気づかないくらい少しずつ、政宗との日々が割合を増していったのではないでしょうか。その上高校での政宗は、愛姫さまへの好意を全開にしていた(ように思われていた)わけです。それが後の藤ノ宮さんとの会話に繋がります。

 ですが、転機はやはりクリスマスのデートでしょうね。ここで意識の違いが浮き彫りになったと言えるでしょう。政宗はこれまで、愛姫ちゃん(本当は師匠だった)に「豚足」と罵られ見捨てられた事への復讐心でやってきました。対して、愛姫さまは8年前にマサムネから見捨てられたことを原因に、過食や男嫌いなどを引き起こしていた。しかし、二人ともそれまではお互いの事を慕っていた。要は、二人して現在のお互いを見つめようとしていなかったわけです。政宗にとって、今の己に過去の姿を重ねられることは、8年という歳月を否定されるに等しいということ。愛姫さまにとって、今の己に迫られない事は、自分に魅力が無いのかと危惧する種になるということ。加えて政宗の体質。復讐に身を委ねすぎた結果、その対象はおろか藤ノ宮さん(後で詳しく)に触れることすらできない体になってしまった、と…。

 さらにさらにですよ、愛姫さまが政宗のリベンジ手帳を偶然見つけてしまったじゃないですか。そこら辺から心情の移り変わりがもう複雑なこと複雑なこと。付き合ってから小さな違和感が積み重なり、あの手帳を見たことで疑念が確信に近い物になったことでしょう。最終的に、藤ノ宮さんにたしなめられたことで結論が出ましたね。「自分は政宗に好かれているわけでは無い、むしろ正反対の感情を抱かれている」という、致命的な答えを得てしまった。ところがその後、雪空のなか吉乃に過去を明かされるというイベントが発生。これによって、彼女が彼にどのような感情を抱いていたのか、そして彼の本意がどこへ向いているのかを察してしまった。真実がどうあれ、事実を知った愛姫さまは身を引くことを決意しました。迎えたホワイトデーという日に、別れを告げ、彼の8年間を肯定せんとしたシーンは見ているこっちが辛くなってきました...

 吉乃と藤ノ宮さんのいさかいを止めた後、愛姫さまは今まで吉乃に助けられ、頼ってばかりだったことを彼女に伝えます。今でも政宗の事を思う気持ちは変わらないが、当人同士の感情を知ってしまったが為に、「初めて」(じゃないかもしれませんが敢えて強調しておきます)応援する側に回ったのです。「お嬢様」とその「使用人」の関係ではなく、ただ身近にいる女の子の恋を応援する近しい友人のような関係性。愛姫さまが二人の事を想う気持ちは複雑に絡まり、自分のあり方をも変えるきっかけとなりました。吉乃を政宗のもとに送り出してからは、踏ん切りをつけるために様々な感情が渦巻いていたはずです。

 そしてえ!ようやく来ました最終話!帰ってきた吉乃から事の顛末を察した愛姫さまは、彼女に依存しきらない生活を始めます。しかし、悲しいかな、3年の新クラスにて諦めようとしている真っ最中の政宗と同じクラスになってしまう、と。以前と変わらぬ態度で接してくる彼に困惑する愛姫さまは、決意を固める為にと髪を短くします...がところがどっこい、それを見かねた吉乃から政宗に会いに行かされます。この時点で愛姫さまは、吉乃と政宗が付き合っているものだと思い込んでいたため、そりゃあもう混乱したことでしょう。さんざいちゃつき具合を見せられていたため、余計に裏を考えたのではないでしょうか?ほいで教室に政宗からの手紙が置いてあるのを見つけ、過去になぞらえた復讐なのではないかと勘ぐります。そこからはもうあれですよ。この数瞬を味わうためにこの作品を読んでいたと言っても過言ではありません!これまでを振り替える回想シーン!政宗が二度目の実家暮らしでたどり着いた答え!そう!彼のこれまでにはすべて愛姫さまの存在があり、とっくに切り離せない身になっていたのは二人とも同じだったのです!!!1!愛姫さまの手助けもあり、過去の自分を克服した政宗は、遂に彼女に触れる事ができるようにもなったのです!!!!11!11!(*UCが流れている。)

 フゥ-、疲れた。興奮の熱も冷めやらぬまま、次のキャラに行きます。ええ、最初の方に言っていた藤ノ宮さんです。正直な所ですねー、このキャラもワンチャンあったと思うんですよね~。2巻ラストでしたっけ?初めて出てきた時は「【悲報】唐突によくわからんサブキャラ(笑)出てきたはw」くらいにしか思っていませんでした。しかしですねー、あれ登場するときに運がなかっただけなんですよ。僕みたいな、設定大好き!ポっと出のヒロインなんか認めないぜw系オタクからすると、彼女の魅せ方に不満を覚えるわけですよ。だから僕のメインヒロインを推す率は高くなるのです。あのような狡い登場ではなく、ストーリー後半で明かされたような過去をもっとオープンにしてくれていたら、彼女を見る目も違ったものになっていたかもしれません。ま、今じゃ二番目には好きなキャラなんですけどね()負け戦であることを承知している上での振る舞い、それでもなお時折見せる、懸命にあがく姿。ここら辺が個人的にはツボですね。いや冷静に考えてみみみ?9巻で政宗が藤ノ宮さんの家に招かれたシーンとか悲しみにうちひしがれたべ?彼女の言うことは至極真っ当であり、理に敵っているが為にショックもひとしお... べ、別に愛姫さまの事を忘れたわけじゃないんだからね!///

 最後にいつも通り好きなシーンとかやりましょうか。お手元に今巻をご用意いただくとスムーズかと思います。まずは~、45話31ページより、藤ノ宮さんが政宗と会話するシーン。の4コマ目(いきなりクッソ細かい)この後、藤ノ宮さんは愛姫さまを呼び出して忠告を投げ掛けるのですが、それを念頭に置いてこの会話を聞くといいんですよ。彼女が愛姫さまに告げる内容は、決してプラスな事では無い訳で。それを政宗に悟られないように憂慮した結果、「知っているはずの」愛姫さまのこれからを訪ねたんですよ。いや~イイ、リアルな表現過ぎて逆に現実離れしているのがいい。こんな配慮現実じゃ出来ませんって。それを真似したくなるのがいいんですよ。

次は~、47話105ページより、吉乃と藤ノ宮さんの一連のいさかいの終点とも言えるシーン。先程とはうって変わって激しいシーンですが、もう最&高。藤ノ宮さんの瞳には、自分に無いものを持ち合わせている(過去の因縁、そして好意の向き先エトセトラ...)吉乃という少女があまりに羨ましく写っていたことでしょう。にも関わらず、吉乃は贖罪や忠誠といった感情から愛姫さまをけしかける。その事が、藤ノ宮さんにはどうしても許せなかった。普段は淑徳とした振る舞いを見せていた彼女が、どうしようもなく吐露した言葉には、質量が伴っているかのような錯覚すら覚えます。う~む、このような魂に響く描写はしびれますね。

続いて~、同じく47話から116ページ。「いや男のアップなんか見て何がおもろいねん🙄」と思うかもしれませんが、待ってください。愛姫さまに唐突な別れを告げられ、逃げ帰るかのように実家を訪れた政宗。己がとった行動に理由も見出だせずにいた彼が、おじいさんにたしなめられた事によってお菓子を処分することにします。彼女に渡すつもりだった菓子を燃やすということは、彼女への想い、ひいてはこれまでの感情を忘れるということに他なりません。にも関わらず彼の口をついて出てきたのは、菓子を燃やしても別に甘い匂いなどしないとの一言。額面通りに受けとるならばそれまでですが、これは「彼女への思いが喪われようとしても、得られた物など何も無かった」という心情の暗喩なのではないでしょうか。愛姫さまを慕う気持ちが本物になろうとも、当の本人に拒絶されては実る物も実らない。そんな彼の悲哀が控えめに主張された、とても僕好みの描写です。(ごめんなさい、このシーンだけ言語化が難しくて納得のいかない文章になりました。気合いで僕の考えを汲み取ってください(?))

長くなってきたのでコンパクトに行きます!48話124ページより、愛姫さまと吉乃が二人きりで語らうシーン。愛姫さまが「政宗の事を好いているのか」と訪ねると、「あなたに幸せになってほしい」と返したんですよ。こ”れ”が”い”い”。この一言だけで、政宗の事を慕っている事は勿論のこと、それを踏まえてなお愛姫さまの方が大事ということが伺えるわけですよ。なんだかんだとありながらも、二人の間にある主従関係、いや、この場合は友情の方が適切ですね。それが固く踏みしめられた物であると再確認できました。そんな愛姫さまに背中を押されたが為に、ようやく自分の気持ちに素直になれたのでしょう。人と人との繋がりはかくも素晴らしい(全然コンパクトにならなかったの顔文字)

最後に、49話206ページ。...語ることなど無い(いや待て)。珍しくイラストとしての話ですが、tiv先生の描く引き気味の構図が好みです。場面場面に応じた背景が、人物の事を絶妙に引き立てていてすんばらしい。所謂一枚絵と漫画のイラストはテイストが異なると言われますが、見開きのシーンであることも相まって両者のいいところが引き出されていると思います。内容に至っても、愛姫さまが主導していたように見えて、その実政宗がしっかりとやる時はやっている。ようやく繋がれた手と結ばれた唇は、ラストに相応しい演出を飾ってくれましたね。

 メインヒロインが自分の推しだとめちゃくちゃ嬉しいですよね。ではまた会う日まで。